コーヒー讃歌

秋の夜長。
温かいコーヒーを淹れて飲む事に幸せを感じるようになって
どの位の年月がたつのだろう?


高校受験の時はまだ、ネスカフェに砂糖とミルクを入れていたけれど、
大学受験の時にはコーヒーの粉をドリップで蒸していた気がする。
まとわり付くような香りを肺の奥まで吸い込んで、胸の何処かに溜めて、
黒い液体と一緒に、二階の自分の部屋まで持って上がった気がする。


あの時の階段を登る自分の足音が、何故か今、手に取って触れるくらいに
思い出すことが出来る。きっと何処にでもある、足音なのだろうけれど
その音階は柔らかく、今も一人で居る部屋に心地良い。

いつか僕は、大好きになった女の子に、僕が淹れたコーヒーを飲んで欲しかった。
やがて一緒に暮らし始めて、毎朝僕のコーヒーを飲んで欲しかった。
そういうささやかな夢というのは、なかなか叶わない。



僕は今、そんな足音に耳を澄ませながら、一人、部屋でコーヒーを飲んでいる。
秋、と言うにはまだ少し早い気がするけれど、秋を感じさせるものは確実にある。

夏は終わろうといしている。そして僕が大切にしていたものも
終わろうとしている。

それでもやっぱり、コーヒーの美味しさだけは、いつまでも変わらない。
[PR]

by haru_ki_0207 | 2009-09-13 02:17 | 雑記  

<< ときどき、ぼくは ユニクロ >>