追伸 ハクモクレン 再び(1/12)


季節が巡りました。
何度も何度も。
健太郎君もまた、成長をしました。
あどけなかった十歳の少年は思春期を向かえ青年になり
いくつかの恋をして傷ついたり傷つけたりしながら
まだ白かったものを灰色に変えて、それでも心に彩りを加え、
タフな大人に成長しました。

そしてこの街を訪れました。

冬が居座り続けていました。。
健太郎君はかじかむ手で閉鎖された門をこじ開け、
工事用のシートで囲われた高い塀の中に入りました。
そしてアスファルトで敷き詰められた広場を見渡しました。

この場所は一ヶ月前までは駐車場でした。
車を区画する白線はかすれ、
車止めのブロックは墓石みたいに整然と並んでいたけど、
ところどころ欠けていたりゆがんだりしていました。
健太郎君は車止めを避けながら、敷地の中央に歩いて行きました。
そしてかつてそうしていたように、一本の木を見上げました。
二十五年前ぶりに。

ハクモクレンの五郎がそこに居ました。
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by haru_ki_0207 | 2007-05-06 17:28 | ハクモクレンの花  

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