朝。

朝の喧騒の中を歩くのが嫌い。

アーケードの中を歩くとパン屋からの香ばしい香り。
白衣姿で昆虫のように幾何学的に動き回っているのが見える。

時計屋の女の子が制服姿で掃除。両膝を着いて、ショーウインドウを磨いている。幾分小さめの膝頭に健康的な性欲を感じてしまう。

本屋の親父がシャッターを上げる。バリバリとした音が耳の奥に届く。今日もまた昨日と同じ日常が始まると彼は思っている。

コツコツとうつむきながら石畳を歩くサラリーマンとOLの群れ。うつむき加減の彼らとすれ違う。僕はだらだらと反対方向に歩いている。僕だけがこの空間では孤独だ。少しだけ取り残された気分になる。世界からはみ出している。何処にも属していない。

アーケードを抜けると朝の光りに包まれる。眩しさで前が見えなくなる。そして僕は彼らと同化する。
少しだけ安心する。何も変わらないとしても。
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by haru_ki_0207 | 2005-01-13 21:54 | 雑記  

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