テキーラ・サンライズ

 仕事帰りに軽く一杯だけ付き合ってくれる女の子が居る事に憧れる。デスクを片付け、明日の予定を確認し、メールのチェックが終ったら、最後に彼女へメールを打つ。

     「9時にいつものところで」
 
 僕が9時前に着くと、彼女は既にテキーラサンライズを飲んでたりする。もちろん、僕がしばらく待つこともあるし、待っても来れないこともある。運よく逢えたら、僕らは他愛のない話に終始し、今日も彼女の爪に描かれている絵が奇麗だと思う。僕らに恋愛感情は無い。持っているのは、漠然とした好意だけだ。二人のグラスが空になると、二人の間に漂っていた親密な空気も消えてなくなる。乾いた氷の音とともに。

 残念な事に、今の僕にそんな女の子は居ない。居たら良いと思うし、帰って来てくれないかなとも思う。いずれにしても、今の僕の孤独は当分癒えそうもない。
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by haru_ki_0207 | 2004-10-18 23:53 | ショートストーリー  

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